ラック・マウント式精密機器用
「超」フレキシブル梱包材

弊社でも大変お問合せの多い、19インチラック・マウントタイプの精密機器類。EIA(米国電子工業会)やJIS規格によってサイズをパターン化されたこれら機器類の梱包材・緩衝材には、共通化によって大幅な効率化が図れるケースが多々あります。しかしながらこうした仕様の精密機器類は、高額である上に生産ロットが限られるため、輸送資材のご予算もシビアな場合が多く、十分な配慮が施された緩衝材をご使用のケースは稀です。今回のお客さまもまさにそんな「生出向き」のお悩みを抱えておられました。

現行品の画像と問題点

板状緩衝材やスペーサーを多用
管理が煩雑な上、作業効率は劣悪

左が従来資材を用いた梱包の様子。発泡材料や段ボール製スペーサーを用い、製品ごとに、都度微調整をされながら出荷作業に当たっておられました。製品重量もかなりのものですので、女性お二人のご担当作業としては相当な重労働であったと拝察します。

生出からの改善提案Ⅰ

蛇腹状の部位を引張れば
10〜20cm程度のアジャスト機能

まずは蛇腹加工です。このディテールを取り入れることにより、最大で10cm程度の伸縮性が得られ、複数の製品形状にフィットさせることが可能な上、保管時のサイズダウンにも貢献します。柔軟性の高いサンテックフォームならではの機能的加工です。

生出からの改善提案Ⅱ

製品サイズに合わせ
緩衝材を千切って微調整

上記の蛇腹式ディテールに加え、今回の緩衝材にはあちこちに点線状のカットラインが入っています。このため製品や外装箱のサイズに合わせて緩衝材の一部を千切ることができ、4種の製品とそれぞれの外装箱に対してたった1種類の内装材で対応することが可能となりました。指先でつまみ、点線に沿って千切ってあげるだけで、目的のサイズ・形状に早変わり。柔軟性と加工性の高いサンテックフォームならではの、代表的な業務効率化事例です。

ここがポイント

突起のある一部の製品形状にも
しっかり配慮した共通化設計

こうした緩衝材の共通化を図る中で気をつけなければならないのは、複数の製品形状それぞれに対する緩衝性能の確保です。いくつもの製品形状にフィットさせる中で、十分な緩衝距離(一般に製品と外装箱の間に生じる空隙の広さを指します)が保たれないことがあるのです。オレンジ枠内にあるのが製品の角部分の突起。この部位が衝撃で外装箱に激突してしまわないよう、今回の緩衝材には段階的にサイズを調整できる仕様を採用したのです。

効果測定

設計技術担当者からのコメント

複数の形状を一つ緩衝材で管理したい、というご要望は、かなり多くのお客様から頂きます。それぞれの製品形状やサイズ、重量などの情報をメールもしくはお電話で頂くだけで、速やかにサンプルのご提案が可能です。各種包装資材・梱包資材の調達や管理でお悩みの際は、まず我々にご相談下さい。

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