箱物小型精密機器用 折り畳み式パッド

こちらはオンライン会議用のモニタ、スピーカーなどのPC周辺機器の売上が好調なある精密機器メーカー様からのご依頼案件。コロナ禍での箱型製品の売上が非常に好調であるのだが、短期的な需要増減が激しく、嵩の張る緩衝材の保管スペース管理に手を焼いており、コスト面含めて見直しを行いたい、とのこと。またできれば、上記改善を行いつつ、必要な緩衝性能も確実に担保したい、という複合的なご要望もお伺い。お任せ下さい。今回も生出が解決致します。

案件情報

課題1と改善ご提案内容

製品の需要増減が激しく、
緩衝材の保管スペース管理が困難。

発泡スチロールなどの成型品もそうですが、発泡体を用いた緩衝材は、製品を保護するための構造が立体的な為、一般的に非常に「かさばる」のが常。今回の案件の場合、梱包対象の精密機器の需要の増減が激しく、緩衝材も、製品出荷量の上振れリスクを加味した数だけ確保しておかなければならず、大規模な倉庫スペースを必要としていました。

保管時容積50% DOWN

改善後の緩衝材は上記画像のように、フラットな一枚の緩衝材から、いわゆる「足」の部分を折り出し、さらに突起状のディテールでしっかり固定することで、使用時の上下パッド形状に早変わり。保管時の形状との容積比で、75%ものスペース削減に成功しました。

課題2と改善ご提案内容

保管スペースの削減をはかりつつ、
緩衝性能もしっかり担保したい。

今回のように、緩衝材の構造を簡略化し、折り畳みタイプなどに変更すると、やはり設計上の自由度が制限される為、本来の目的である緩衝性能を犠牲にすることが多々あります。しかし今回は、梱包対象の製品が精密機器筐体であることから、緩衝性能の低下も許容できません。
今回の案件では、下図のオレンジの枠内の、いわゆる「受圧面積(製品の重さを受け止める面の広さ)を、設計時に容易に微調整できる構造としており、製品にかかる衝撃値の微妙なコントロールが可能です。
またこうした構造のため、箱型の類似製品であれば、製品種やその重量、また許容される衝撃値の違いなどに応じて、微妙に緩衝性を変化させることも可能となり、非常に汎用性の高い資材として活用の幅が広がりました。

オレンジの枠で示した部位が、製品の重量や衝撃を受け止める、いわゆる「受圧面」。この部位の面積を容易に増減しやすい構造となっているため、類似の製品間で、微妙な緩衝性能の調整を行いたい時などにも汎用性が高い。

効果測定

設計技術担当者からのコメント

内側から立ち上げて、凹凸のロックで固定する構造です。簡単に組み立てられることを第一に考えて提案を進めました。今回は比較的シンプルな形状の製品でしたが、複雑な形状の製品に対しても応用が効く事例です。

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