製函方式の種類と特徴

一口に『段ボール』といっても、実に様々な種類が存在し、いずれの製函方式にもそれぞれメリット、デメリットがあります。生出は、内装材(緩衝用発泡体)の高度な設計を得意としていますが、外装用の段ボールも、常にお客様にとって最適なご提案を心がけています。ここでは主に内容物を衝撃から守る「緩衝包装設計」で用いられる代表的な製函方式をご紹介します。

A式(基本形)

この方式の特徴
最も汎用的に使われている段ボール箱。全てのフラップが同じ長さで、長手側のフラップが付き合わせになっている。

採用のメリット
他のA式箱にも共通するが、基本的に抜き型が不要であり、最も低コストに仕上がる製函方式のひとつ。生涯ロットが少ない時にコストメリットが大きい。

A式(オーバーフラップ)

この方式の特徴
全フラップが同一の長さで、かつ、箱組みした時に全フラップが重ね合わせとなっている。

採用のメリット
長手の強度が高い為、細長い商品の梱包に適している。また抜き型が不要であり、生涯ロットが少ない時にコストメリットが大きい。

A式(突き合わせ)

この方式の特徴
長手と短手のフラップ長が異なり、互いに突合せになっている。

採用のメリット
フラップ間に段差がなく、内容物が安定し、強度にも優れている。

B式(アメリカンロック/アメロク)

この方式の特徴
蓋は主に差し込み式、底面は糊を使わず差込式で組み立てる。

採用のメリット
テープや接着剤不要で組立てが可能。軽量物の梱包向き。またワンタッチと近い構造をしているが、安価であり、保管時にも嵩張らない。

B式(ワンタッチ)

この方式の特徴
蓋は主に差し込み式、底面は糊付け済みで、広げるだけで自動的に組みあがる。

採用のメリット
組立てが最も容易な形式。組底タイプよりも底面の荷重に強い。

C式(基本形)

この方式の特徴
重ね合わせの部位をステッチャ等で接合し、組みあがった状態で納品する。

採用のメリット
基本的に抜き型が不要で、プリンタースロッター(印刷と裁断を兼ねた自動機)を用いて、安価に印刷入りの製函が可能。筒状の胴にC式の上下蓋を合わせ、深さのある箱として用いることもある。

半A式

この方式の特徴
底面のないA式箱を重ね合わせたいわゆる『身蓋箱』。

採用のメリット
深さのある身蓋箱を作るのに向いている形式。また抜き型が不要であり、生涯ロットが少ない時にコストメリットが大きい。

たとう式(やっこ式)

この方式の特徴
四方に伸びたフラップを内側に包み込むように組み立てる。

採用のメリット
書籍やCD・CVDなど、厚みのないものを梱包するのに適している。

N式

この方式の特徴
噛み合わせの腕のような構造を持つものが代表的。蓋は差し込み式(キャラメル)が主。

採用のメリット
側面の構造が堅牢で荷重に対して一定の強度がある。また、蓋の差し込み部位の自由度が高く、簡易なロック機構を作成できるなど、ディテールに応用が効く。

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