超高感度Full HDカメラ用
折り畳み式上下パッド

製品の画像計測や解析処理など、高度な産業用イメージングシステムに用いられる、超高感度カメラ。大変高価な製品が主流で、中には数百万円を超えるものも存在します。今回のお客様もまた、300万円ほどもする新製品の内装をご検討中でした。生産台数の限られた高価格な機器の場合、それを保護する緩衝・梱包材の選択もまた、大変悩ましいものです。生出からのご提案事例をお届けします。

現行品の梱包形態と問題点

製品をエアキャップで巻いて梱包
作業性と緩衝性能の両面で不安

左はエアキャップを使用して製品をぐるぐる巻きにした従来の梱包方法。ブルーのシートで製品をくるんだ後、さらに厚みのある緑のシートで隙間を埋めるという作業負荷がある上、製品の破損が発生するなどの不安も大でした。数百万円もする機器ですから、たとえ『1台破損』でも大損害!


従来の梱包状態

製品形状(イメージ)

生出からの改善提案Ⅰ

折り畳み式の簡易構造で低コストかつ
保管スペース削減のご提案

今回はエアキャップからの代替希望ということで、コストをできる限り抑えるため、熱貼りなどの工程が発生しない折り畳み仕様をご提案。ワンタッチで上下パッドの『足』が飛び出る設計で、低価格ながら作業性もバッチリ、お客様もご満足…のはずでしたが…

作業性とコストパフォーマンスはご評価いただけたものの、実際に製品をセットして荷重が加わると、右上写真のように『足』が開いて製品が脱落してしまうという現象が発生… 一度社に持ち帰り、ディテールを再検討することに。

生出からの改善提案Ⅱ

ディテールを追加して『足』を補強

そこで、抜き型のディテールを左下図から右下図のように変更。組み立ててみると下の写真のようなギミックが追加され、製品の脱落を防ぐ構造へと完了しています。組み立ての際の作業性についても問題なしとのご評価を頂き、受注に至りました。

効果測定

改善効果
作業性
(従来資材と比較した際の推定値)
40%向上
緩衝性能 お客様の社内テストにて製品破損なし

設計技術担当者からのコメント

今回のように生産台数が限られ、かつ大変高額な精密機器類は、その緩衝材の選択も非常に難しいケースが多くあります。成形品(発泡スチロール)を用いるには金型のイニシャルコストが掛かり過ぎますし、また、エアキャップなどで一台ずつ梱包すると、作業性、緩衝性、美粧性など様々な面で問題が発生しがちです。

弊社が手掛けるのは、板状の発泡体からプレス加工・熱貼り加工などを経て、上のような最終形状にしてゆくタイプの緩衝材です。製品や輸送上の課題に合わせて、今回のような細かなオーダーメイドが可能ですので、お客さまのご要望を詳しくお聞かせ下さい。

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