品質管理担当のつぶやき

2025.12.12

PPWR(EU包装・包装廃棄物規則)と包装設計の現実的課題

前回の続きとして、PPWR(EU包装・包装廃棄物規則)について改めて考察しましてみました。

PPWRは2030年から本格的にEU域内で適用される予定の環境規制であり、今後の包装設計の在り方に大きな影響を与えると考えられています。本規則の中核は、すべての包装に対して「リサイクル設計(Design for Recycling)」を義務付ける点にあります。

一方で、現時点ではリサイクル性能の等級基準が確定しておらず、どのような包装材や構成であれば「適合」と判断されるのかは明確になっていません。2028年1月1日までに評価方法を定める予定とされていますが、そこから規則の本格施行までの期間は限られており、実務面での準備期間としては決して長くはない印象です。

また、食品包装で広く使用されている多層フィルムについても、単純な代替は容易ではありません。内容物を守るためのバリア性や品質保持性能を確保しながら、リサイクル材を使用することは、食品安全衛生の観点から慎重な検討が求められます。循環型社会の実現という方向性には賛同しつつも、包装設計の現場に携わる立場としては、実現可能性や運用面での課題は依然として多いと感じています。今後は規制の具体化を注視しながら、用途別・製品別に現実的な解決策を模索していく必要があると考えています。

【編集後記】
先日ついに Nintendo Switch 2 を入手しました。
各販売店の抽選にことごとく落選していたのですが、先日ふらっと立ち寄った家電量販店で、偶然にも通常販売されており、そのまま購入できました。ちょうど入荷のタイミングだったようです。
息子は大喜びで、地面に頭をつけて喜びを表現していました(笑)。こちらまで嬉しくなる瞬間でした。