包装のコトども

2018.12.12

アイドルをマッチング? ~最新トラック事情~

『アイドル・エコノミー』

こんなキーワードを聞くと、
秋元康先生のお仕事の経済的波及効果の話かと思われそうですが…
じつはわりとマジメな経済学のお話です。

この用語、かの大前研一氏が数年前から提唱している概念で、
要は「空いている(Idle)」資産を有効活用しようというものですが、
「なんだ、シェアリング・エコノミーのこと?」と思ったら、
ちょっと違うみたいなのです。

巷で普及しつつあるカー・シェアリングは、
企業が所有しているレンタル用車両を、
個人が必要なときだけ利用するというモデルですね。

これに対して、たとえばタクシー配車の風雲児Uberが提供するのは、
自社ではなく、他社や個人が所有する空きタクシーです。
Uber自体は実質、なにも所有していません。
なんの資産投資もリスクも負わず、
ただ「余ってるモノ」を「足りないトコロ」へマッチングするだけで、
莫大な付加価値を創出しているわけです。
大前氏によればこれが”Idle economy”なのだとか。

国内の自家用車保有台数は6,000万台と言われますが、
その稼働率(運転されている時間)は、
なんとたったの数パーセント(!)に過ぎないとされます。
休みなく稼働しているイメージの運送用トラック車両ですら、
実稼働時間は3割に満たないという分析があるほど。
車って社会全体で見ると、ものすごく「Idle」な資産なのですね…。

「だったら、トラックもマッチングすればいいじゃん」

と考えたのが運送大手のSBSグループ。
自社のトラックだけでなく、他の運送会社の「空いている」車を、
必要としている荷主にマッチングするサービスを開発中とのこと。
『トラック版・Uber』といったところですね。
深刻なドライバー不足の救世主となってくれることを祈ります…。