包装のコトども

2022.05.31

日本企業の「エコ」通信簿

「建設・物流業も改善」

日経の二面にこんな見出しが。
てっきり企業業績回復の話かと思いきや、『アジア太平洋気候変動リーダー企業200社』と題した報告書に関する記事。
ひとことで言うと、過去5年間のCO2削減度合いが大きかったアジア企業200社に関する調査結果です。製造業全般、また、物流や包装に関わる方々にとってはこのご時世、「けっこう気になる」データですよね。
掲載元となっている集計リストも閲覧できるのですが、これがとっても読みづらい!…ので、生出が日本企業と物流企業にフォーカスして、このレポートをグラフにしてみました!。

まずは、上位200社に占める各国の企業数から。

これはさすがというべきか、世界三位の経済大国、日本がダントツの一位だったようです。もっともこれは、先進国であり、中国、インドに次ぐ人口と膨大な企業数を抱える国としては当然期待される程度の結果でしょうか。
注目したいのは台湾。人口は2,000万人強と、韓国やタイの半分以下に過ぎないにも関わらず、15社のランクインを果たしています。その内訳もほとんどが電機・精密機器メーカー。実際にモノが動く実業の分野で、これだけの企業数を送り込んでくる点に、先進性と将来性を感じざるを得ません。
※ ちなみに中国本土の企業はデータの比較が困難という理由で今回の集計からは除外されています。

それではいよいよ、日本企業の内訳を見てゆきましょう。当記事をお読み頂いている皆様に関係が深いと思われる自動車分野、機械設備、電機精密機器、ロジスティクスの四分野から抽出してみました。

このデータは『排出絶対量』の減少幅を表したもの。企業が実際に排出していたCO2を、何パーセント減らすことができたか、というストレートな値です。
こうしてみると、弊社もお取引させて頂いている大手機械メーカー様も数多くランクインされており、その削減率の高さに大変驚かされます(一位の東芝は実に62.1%減少!)。
実はCO2排出量削減に関するデータには大きく二つの見方があり、『排出原単位』というものもあります。こちらは、製品当たり、ないし一定の売上高当たりの排出量減少率を示したもので、企業全体の排出量が何パーセント減ったのか、を示すものではありません。上のグラフの『排出絶対量』の減少率の方がよりシビアな値だと言われており、ここで大きな成績を収めているのは本物の成果を上げている企業と解釈できるかもしれません。

また、物流分野の企業を抽出してみると、韓国の現代グロービスや日本郵船株式会社は、排出量が多い分野で、事業規模が大きいにも関わらず、ともに45%程度の絶対量削減率を記録しています。

正直、こういった『モノが動く』『モノを造る』業界で、これほど着実な成果をあげられている企業が存在することは驚きであり、また同じ製造業に携わるものとして、身の引き締まる思いが致します。

私たち生出も現在、環境対応などを含めて多様化・複雑化するお客さまのニーズに柔軟にご対応させて頂くため、最適な素材別のパッケージ・コンサルティング体制を構築中です。内容は近く、ダウンロード用コンテンツとしてお届けできる予定です。ご期待下さい。