品質管理担当のつぶやき

2026.05.14

対策書を「見た」だけでは再発防止にならない

先日、社内で加工する製品の再発不適合が発生しました。以前にも発生した事象であり、その際には原因分析を行い、対策書の作成や関係者への周知も実施していました。調査を進める中で、当該作業者にもヒアリングを行いましたが、本人は確かに「対策書は見た」と回答しており、「知らなかった」というわけではありませんでした。

では、なぜ再発してしまったのか。

確認を進めていくと、一つの重要な課題が見えてきました。それは、対策書を「見た」ことと、「理解して実際の行動に落とし込めている」ことは全く別である、ということです。対策書には手順や注意点が記載されていましたが、その内容が「なぜ必要なのか」「どのようなリスクを防ぐためなのか」という部分まで十分に理解されていなかったため、作業の中で“自分ごと”として定着していなかったのです。人は、単に情報を与えられただけでは、必ずしも行動は変わりません。

今回の件を通じて、教育や再発防止には段階があることを改めて実感しました。

知らない⇒知る⇒理解する⇒納得する⇒行動する

この流れを踏まなければ、本当の意味での再発防止にはつながりません。

例えば、「この作業を必ず実施してください」と指示されても、その理由や背景を理解していなければ、忙しい時やイレギュラー時に省略されてしまう可能性があります。一方で、「この確認を怠ると、最終的にお客様へ不良品が流出する」「安全性や品質に影響する」ということまで納得できていれば、行動の優先順位は大きく変わります。

つまり、「理解」と「納得」があって初めて、人は自律的に行動できるということです。これは製造現場だけでなく、あらゆる仕事に共通することかもしれません。

教育というと、「教えたかどうか」「資料を配布したかどうか」に目が向きがちです。しかし本当に重要なのは、相手がどこまで理解し、実際の行動として定着しているかを確認することなのだと思います。今後は、単なる周知で終わるのではなく、なぜその対策が必要なのかを含めて対話し、理解と納得を伴った教育へつなげていきたいと考えています。

【編集後記】

先日、息子の要望で千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館へ足を運びました。当初は2時間程度で見終わると思っていたのですが、予想以上のボリュームと展示内容の深さに驚き、気づけば5時間ほど滞在していました。特に、石器時代や縄文時代の生活を再現した展示は非常に見ごたえがあり、当時の暮らしの知恵や工夫に感心させられました。息子にとっても、教科書だけでは得られない良い学びになったのではないかと思います。