包装・物流用語集

「生分解プラスチック」


生分解プラスチックは単に水に漬けるとバラバラになるというようなものではなく、
微生物の働きを利用し、分子レベルまで分解し、最終的には二酸化炭素と水となって自然に返るという性質を持ったプラスチック製品です。

※「酸化型分解性プラスチック」などの本来分解性のないプラスチック製品に添加剤を加えて、日光などによる崩壊性を付与したものもありますが、こちらはバイオマスマークを認定している日本バイオプラスチック協会では生分解プラスチックとは認められていません。

生分解プラスチックの原料は従来の石油由来のものの他、自然由来の原料も使われますが、見た目や使用感は通常のプラスチック製品と変わらないところも大きな特徴となっています。

生分解プラスチックが求められる背景としては、2019年時点で世界のプラスチック生産量は年間約4億トンとなっており、20年後には生産量が2倍となる予想もあるにもかかわらず、リサイクルされているものは10%程度と循環システムが完成しているとは言い難い状況です。また、海洋中のマイクロプラスチックが海洋生物や人体にも有害であるという懸念が世界的にも広がってきており、最終的には完全に自然分解される生分解プラスチックに注目が集まっています。

ここまでの話では生分解プラスチックのメリットを中心に説明していましたが、逆にデメリットととしては下記のようなものが挙げられます。

・価格が高い
・使い捨てになる
・どんな場所でも分解する訳ではない
・完全に分解するには数か月~数年単位の時間が掛かる

上記のような課題はあるものの、今後の環境問題を考えていく上で決して無視できない資材となるでしょう。