包装・物流用語集

「RFIDタグ」

読み方:あーるえふあいでぃーたぐ

『RFID(radio frequency identifier)』は、日本語では「近距離無線通信を用いた自動認識技術」と訳され、この技術を用いた上の写真のようなICタグを『RFIDタグ』と呼んでいます。…と堅苦しく言われても、一体これが何なのか、バーコードと何が違うのか、さっぱり分かりませんよね。
でもこれ、実は普及すればものすごいメリットを秘めた技術なんです。
というのも、従来のバーコードなどと異なり、①数メートルから数十メートルの広範囲を対象として、②箱などの障害物をすり抜け、③多数のタグを一斉にピッと認識できる、からなんです。
例えば、倉庫内でパレットに積まれた数百~数千の製品在庫を、一瞬で棚卸できたり、ピッキングの終わったコンテナ内の製品を、認識用ゲートをくぐらせるだけで検品できたり、一部アパレル店舗などでは既に導入されていますが、消費者が買い物カゴを清算コーナーに置くだけで会計を済ませられたりと、とにかくすごい技術なのです。
実はこの仕組み、技術的には既に1970年代に考案され、日本でも1980年代には実際に使われ始めていました。でも、その当時のタグ一枚の原価はなんと一枚あたり1,000円を超えていたと言われ、コストがモノを言う物流やリテールの世界にはなかなか浸透してゆかなかったという事情があります。
しかし近年では、種類にもよりますが一枚なんと10円を切るような価格帯のラベルも市場に出回っており、これはいよいよ本格普及か…などと囁かれているのです。
もちろん、アパレルとは異なり、食品など安価なモノの小売現場では、たとえ10円といっても大変大きなコストですから、全ての業界に一斉に普及するということは難しいかも知れませんが、この技術のメリットを享受しやすい分野は多数存在し、今、大きな期待が注がれています。