包装・物流用語集

「異方性」

読み方:いほうせい

緩衝用の資材には、いわゆる「目」の方向を持つものが多く存在します。この「目」のことを、専門的には「異方性」と呼んでいます。つまり、方向によって物理的な強度などが異なるという意味ですね。

上の例Ⅰに挙げた3つの素材をご覧ください。いずれもいわゆる「目」の方向が存在することが分かります。この「目」の方向は一般に圧縮負荷に強く、「逆目」の方向では弱くなる特徴があります。ですから、例えば外装箱などを製作する際には段積みを想定し、図1の左図ように、原則、目の方向を縦にして設計します※。

これに対して異方性のない素材は、縦横いずれの方向にも均等な強度を持っているため、用途の幅が広いのが特徴です(右図)。また、縦横いずれの方向からも内部へ入り込める構造のため、水や埃、虫などの侵入を許さぬよう、端面処理などの特殊な加工を施すなどの配慮が重要となります(図2)。

※ 屋外で使用するプラダン等の通い箱では、雨水や埃が垂直方向に侵入するのを防ぐため、敢えて目の方向を横にして設計するケースもあります。