包装・物流用語集

「ピッキング」

ピッキングとは、在庫管理の一環として、倉庫内に保管されている商品から必要な商品を選び出し、取り出す作業です。

ピッキングは、物流の流れの中でも非常に重要な作業の一つであり、正確かつ迅速な作業が求められます。ピッキング作業は、人力による手作業から、最近では自動化されたシステムが導入されることもあります。自動化されたピッキングシステムには、例えば商品のバーコードを読み取るシステムや、ロボットが商品を選び出すシステムなどがあります。

ピッキングは、倉庫内での在庫管理の効率性に大きく影響を与えます。正確で迅速なピッキングができれば在庫の滞留期間を短くすることができます。また、顧客への迅速な配送を実現するためにも、ピッキング作業の効率化は欠かせません。ここではピッキングの手法であるシングルピッキングとマルチピッキングのメリットとデメリットについて解説していきたいと思います。

ピッキングの手法はシングルピッキングとマルチピッキングの2つに大別することができます。

●シングルピッキングは文字通り1つの出荷オーダーごとに1つの商品を取り出す方式です。

・メリットは以下の通りです。

1.精度が高い
一度に1つの商品をピックするため、誤った商品をピックすることが少なく、正確性が高い。

2.単純性
シングルピッキングは、非常に単純な作業であり、未経験者に対しても簡単にトレーニングできます。

・デメリットとしては以下の通りです。

1.効率が悪い
一度に1つの商品をピックするため、一人の作業員がピックする商品の数が少なく、時間がかかります。

2.作業員の負荷が大きい
一人の作業員が一度に1つの商品をピックするため、長時間の作業が必要になり、体力的な負担が大きいです。

●マルチピッキング(トータルピッキング)は複数の出荷オーダーをまとめて取り出す方式になります。

・メリットは以下の通りです。

1.生産性の向上
複数の注文を一度に受け取り、一度に複数の商品をピッキングすることにより、作業時間、を短縮することができます。

2.作業員の負荷軽減
一人の作業員が複数商品をピックするため、移動距離、作業回数を削減することで体力的な負担を軽減できます。

・デメリットは以下の通りです。

精度の低下
1.複数商品をピックするため、誤った商品をピックしたり、仕分けのミスなど作業の正確性が低下する可能性があります。

2.複雑性
棚の配置やシステム、機器の操作方法などの習熟が必要になり、作業者のトレーニングに一定の時間がかかります。

商品を取り出すというピッキングという作業自体は非常に原始的なものですが、現在、AIやビックデータを利用した在庫管理システムの導入や機械による無人ピッキング、ARゴーグルの利用など、世界中で最も最新技術の結集した現場であるともいえるでしょう。